心臓の仕組みについて|大阪人体模型センター

人間の体の不思議

第1回 人間の生命力の源・・・「心臓」

このカテゴリーでは、人間の生命力の源である心臓について、その仕組みをお話させて頂こうと思います。
心臓の鼓動を感じることで、「生きているんだな・・・」と感じることができるのですが、そもそも心臓は私たちの体に何をしてくれているのでしょうか?

たとえば・・・

など・・・
「初歩的なことなのに、意外と多くの方が知らない」ことについて、触れてみたいと思います。

初心者の方にも分かりやすいように、心臓の仕組みを説明していきますので、雑学としても楽しんで頂けるかと思います。

まずは、「心臓の4つの部屋」を知ることが大切です!

心臓模型

心臓の働きを理解するためには、まずは「その4つの部屋」について知ることが大切です。
今からこの4つの部屋について解説しますが、その際には人体模型の写真を参考にして頂ければ分かりやすいかと思います。

分かりやすく説明するために、血液が流れる順に部屋を解説していきます。


1、左心室
全身に血液を送り出すための部分です。
左心室が収縮することで、全身に血液が流れます。
上の写真の中で、向かって右側の一番壁の分厚い部分です。

壁が分厚い理由は、「全身に血液を送り出すためには、力が必要だから」です。
左心室がしっかりと収縮するから、全身に血液が流れるわけですね。

左心室を出ていく血液は、大動脈(上の写真の赤くて太い血管)に入り、全身に流れます。
血液が心臓から大動脈に出ていく様子は、下の人体模型の写真でも分かりやすくイメージして頂けることでしょう。

心臓模型

左の人体模型の写真の「30番」という番号が書かれている箇所が、「大動脈への出口」になります。
心臓から大動脈へ血液が流れる部分には、逆流を防ぐための弁が付いています。
この点を知って改めて写真を見て頂くと、分かりやすいかと思います。


さて、全身を巡った血液は、大静脈から心臓の「右心房という部屋」に戻ってきます。
ですから、次は右心房について、ご紹介させて頂きます。

2、右心房
心臓から出ていく血液と、心臓に戻ってきた血液は、一体どのような変化が起こったのでしょうか?
それは、「血液の中の酸素が無くなってしまった」ということです。

血液の中の酸素の濃度を「酸素飽和度」というのですが、心臓を出ていく際には90%以上あるのが、心臓に戻ってくる時には60%位まで低下します。
これは、「血液が全身を巡って、体の中に酸素を供給している」ということです。

心臓模型

全身からの血液が戻ってくる「右心房」は、左の写真の部分です。
青くて太い血管(左側)が大静脈になりますから、「大静脈から心臓に血液が戻ってくる」ということを、写真を通じてイメージして頂けるのではないかと思います。



右心房に戻ってきた血液は、次の部屋である「右心室」へと進みます。
右心室の役割は、肺へ血液を送り出すということです。

3、右心室
全身を巡って酸素が無くなってしまった血液は、肺を巡ることで、酸素をたっぷりと蓄えることができます。
右心室は、そのためのポンプの役割を果たしています。

右心室 拡大

右心室の場所は、左の写真の部分になります。
全身に血液を送り出す左心室と比べると壁が薄くなっています。
この部分から、上の写真の「27番」の場所(肺動脈弁)を通過し、肺へと血液が流れます。


肺へ流れた血液は、酸素をいっぱい含み、心臓の左心房へと戻ってきます。
つまり、血液の流れは、「右心室」→「肺」→「左心房」となります。

それでは、最後の部屋である左心房についてご紹介します。

4、左心房
左心房には酸素をたっぷりと含んだ新鮮な血液が、肺静脈から入ってきます。
そして、この新鮮な血液は左心房から左心室へと流れます。

心臓模型

左心房から左心室へ血液が流れる部分に関しては、左の人体模型の写真が分かりやすいかと思います。

「上が左心房、下が左心室」となっています。
写真のように、左心房と左心室の間には僧房弁という弁があり、血液が逆流しないようになっています。


さて、これで左心室に戻ってきました。
ここからは、また同じことの繰り返しになります。

最後に血液の流れについて、もう一度まとめておきます。

「左心室」→「全身に血液が流れ、酸素を供給」→「右心房」→「右心室」→「肺に巡って、酸素をたっぷりと蓄える」→「左心房」→「左心室」

という流れで血液が流れ、全身に酸素が行きわたる仕組みになっています。
この血液の流れを見て頂くと、心臓の役割が、「全身に血液を供給する」ということをよく実感して頂けるのではないかと思います。

次回:
肺で呼吸するとは・・・どういうこと?

※参考
第1回 人間の生命力の源・・・「心臓」で説明に用いた人体模型は・・・
「実物大 心臓模型」となります。
人間の心臓を実物大で再現し、弁や心筋などの構造も忠実に再現されています。

現在地:トップページ人間の体の不思議